サイトへ戻る

空との時間

私が空の写真を撮り始めたのは、中学1年生の頃

誰もいない空間で、ぼーっと空を眺める時間が

いつしか自分の心の拠り所となっていた

放課後、部活が終わって学校からの帰り道
ハッとするような夕陽の空を見つけては、
猛ダッシュで汗だくになりながら帰宅したことが何度あったかわからない

玄関を開けるなりカバンを放り投げて、

当時家族で使っていたフィルムカメラを持って、
急いでマンションの階段を最上階まで駆け上がり

ゼーハー言いながら、空に向かってシャッターを切っていた

刻一刻と変わりゆく空の色、雲の形
その瞬間はその時にしか存在しない愛おしさ

今でも鮮明にその時の体感を思い出すことができるくらい
至福の時間だった

心が押しつぶされそうになったとき、
何度も何度も階段を上がったその場所から

空を見上げては語りかけていた

誰にも言えないことを空に向かって呟いて
涙しながら、弱音や怒り、悲しみを吐き出していた

そして最後は毎回、

ありがとう、ありがとう

と泣きながら、笑顔で呟いていた

誰かに見られていたら、おそらく、相当ヤバい人だと思われていたかもしれないけれど。。

空を見上げているその時間だけは
何とも言い難い安心感を感じられていた
何かに守られているようなそんなあたたかな感覚

家族でも友達でもなく、空が私を支えてくれていた
壮大な愛とすべてを包み込む優しい光
なんて言ったらいいのか…
どんなに悲しくても、辛くても、泣いていても、
瞬時にそんな心を溶かして笑顔にしてしまうような力が空にはある気がした

当時はあまり深くは考えていなかった
ただ、空の色や動きの美しさに、魅了されていたのだろうと思っていた

でも今ならわかる
魅了されていただけではなく、本当に空の先の宇宙と繋がって
無意識にエネルギーを癒してもらっていたのだと

孤独感でいっぱいだった学生時代
空との出逢いは大きな救いだった

今もハッとして空を見上げる瞬間がよくあって
そんな時、いつも何となくどこかの存在やメッセージのようなものを感じる

"大丈夫、いつもそばにいるから"

そんなメッセージを感じることもよくある

どんなに孤独を感じても、みんな1人じゃない
いつも繋がっているのに忘れているだけ

いろんなところにサインは現れるから
そのサインに気づいて、想い出していこう

 

 

broken image